【直心流会 創立への道】

日本空手道直心会は、
宗家杉江征心が全日本空手道聖道会宗家三森義夫先生の許しを得て、
昭和51年4月8日創立したものです。
これより前、昭和29年頃日本拳法会名古屋支部において水野忠治、三森義夫、木下米雄の3名が日本拳法の在り方に疑念を抱き、
三者が団結して日本拳法より新鮮味のある新しい拳の道を得ようとして聖道流空手道を創設し、
年長の水野先生を初代宗家とし、
総師範には三森先生、師範に木下先生が就任して発足しましたが、
三森先生はその後昭和32年頃自ら全日本空手道聖道会を創立して宗家となられました。
杉江征心は、昭和26年頃日本伝北派少林寺拳法に入門し、三森先生の下でその教えを受け、
全日本空手道聖道会設立後も先生に付いて直弟子として更に厳しい修行を続け、
やがて同会会長に就任しましたが、
昭和51年印可を得て日本空手道直心会を創立するに至りました。


【命名の由来】

「日本空手道直心会」の命名者は最高相談役であった故・龍仁大居士先生で、
先生が宗家杉江征心の為に特別に下さったものです。 
日本の聖徳太子、中国の蘇東坡に匹敵する大人物として印度に維摩居士という大居士が出現していますが、
この維摩居士は
「直心は是れ道場なり。虚仮(噓の意)無きが故に。」
と述べて、直心それ自体が道場と見て居りました。(維摩経「菩薩品」第四) 
ここから日本空手道直心会と命名されました。
また、先生が専攻されていた印度哲学の中に「直指人心」という言葉があり、
この直と心を組み合わせたものが直心となります。
「直指人心」とは、自分の心を真っすぐに見つめ「真正の見解(悟り)」を求めよという教えであり、
故に直心とは、
「正しいことをいちずに思いつめる心」を言います。 直心の心を要約すれば、強い心、正しい心、思いやりの心です。 
直心会においては、これらの精神を受け留め離さない日々の修行を最も大切にしています。

【直心流会 指導理念 】

当会は、正統空 手道を通じて心身鍛錬を図ることを主眼としていますが、
少年部においては、「心」の健全育成を第一義とした指導を行っています。
厳しい 実技修錬の中で「忍耐・集中力・積極性」の強い心が、
また団体生活の中で「人としての道」の正しい心が、
そして「師弟・長幼・盟友が、礼節を尊び、協力 し、助け合う」ことから、
思いやりの心が培われるように、指導方針を「心」の練成としています。
また、一般部においては、個々の目的に合わせて鍛錬の空 手、競技の空手をすすめつつ、
「心・体・技」の三位一体の涵養に努め、広く社会に貢献できる人間性豊かな会員の育成を目指した指導を行っております。